皆さんは「グリセリン」がどんなものかご存知ですか?
グリセリンは化粧品の他、食品添加物としても利用される成分です。
それとは別に、ここ最近注目を集めているのが文字通りグリセリン使用しない「グリセリンフリー」。
そこで今回は「グリセリンフリーのメリット」をメインテーマに、
- スキンケアのやり方、
- 注意点
- おすすめのコスメ
について進めていくので、グリセリンフリーがどういうものなのか、どんな効果を得られるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください!
「グリセリンフリー」とは
グリセリンはコスメだけではなく、食品添加物としても使用されている成分で、グリセリンフリーとはそのグリセリンが含まれていない商品のことを指しています。
そもそも、なぜグリセリンフリーが広まっているのでしょうか?
グルセリンフリーのコスメを使うとどんなメリットがあるのかご紹介しましょう。
グリセリンとは?
20世紀以降、学術分野で「グリセロール」と呼ばれていましたが、医薬品や日常的にはグリセリンで定着しています。
無色透明で糖分を含む液体で、甘味を持ち安全性の高さから食品添加物では甘味料、保存料、増粘安定剤などで使われ、医薬品やコスメではヒアルロン酸やセラミドには劣るものの、スキンケア用品の保湿剤や潤滑剤に使用されています。
肌に触れても刺激を与えない液体なのでコスメのベース成分としてポピュラーな成分であり、コスメの成分表には上位で表示されていることも多いです。
グリセリンがコスメの保湿剤に使用される理由は、蒸発や浸透もせず肌の上でも長時間残る性質を持つからでしょう。
水分と馴染みやすい性質も持つため、肌の上に残るグリセリンが肌内部の水分を保持することで保湿剤として機能するわけです。
少しねっとりしているので、グリセリンをベースにしたコスメはしっとり系が多くみられます。
また、グリセリンは数多くある保湿剤の中でも低刺激なので、敏感肌や乾燥肌に適している成分と言えます。
高濃度のグリセリン原料を薬局や通販サイトでも比較的簡単に購入できるほど、安全性の高さが認められた薬品なのです。
元々人の肌にも含まれる保湿成分なので、人の肌と相性が良いこともコスメに含まれる理由なのでしょう。
グリセリンフリーのコスメはニキビケアに有効?
コスメでは保湿剤や潤滑剤に使用されるグリセリンですが、グリセリンフリーのスキンケア用品を使うメリットもあります。
それは、ニキビケアにつながるということです。
人間の肌にはアクネ菌やマラセチア菌といった常在菌がおり、これらの細菌がニキビの原因と大きく関わっています。
本来は特に悪影響のないアクネ菌やマラセチア菌は皮脂を餌に増殖し、過剰に増えると毛穴に詰まり皮脂を有害なものに分化してしまうので、炎症が起きてニキビができてしまうのです。
ニキビケアは皮脂の過剰分泌や常在菌の異常増殖を抑えることがポイントとなりますが、グリセリンは常在菌の増殖をサポートしてしまうという研究結果がサティス製薬で発表されました。
グリセリンは皮脂に含まれる成分の1つなので、常在菌にすれば慣れ親しんだ物質と考えれば増殖に影響を与えないとは言い切れないでしょう。
グリセリンフリーのコスメを使えば、常在菌の餌が減るので異常増殖のリスクが下がり、ニキビができにくくなると考えられます。
グリセンフリーのコスメで毛穴ケアも可能?
毛穴がほとんど見えない美肌に憧れを持つ方もいると思いますが、グリセリンフリーのコスメは毛穴改善にも効果があると言われています。
ニキビ肌の人は皮脂が多いので、そこにグリセリンを含む保湿性の高い化粧品を使うとより脂っぽい肌になってしまうことが挙げられます。
グリセリンフリーのコスメを使うことでさっぱりした肌に整うので、余分な皮脂が分泌せず、アクネ菌なども増えにくくなるので毛穴詰まりが起きにくくなります。
その結果、毛穴が小さくなっていくのでニキビ改善に効果的と考えられるのです。
グリセリンフリーのコスメが広まった理由
グリセリンフリーのコスメが消費者の間で広がった理由は、サティス製薬が発表した研究結果でしょう。
ニキビ肌に悩む人が多いので、そのような人にとって朗報だったと思います。
また、今はSNSなどが盛んで、グリセリンフリーのコスメを使ったらニキビができにくくなったと報告する人が増え、その影響からグリセリンフリーを求める消費者が2017年から増加しました。
美容業界もそのニーズに合わせてグリセンフリーのコスメを開発し始めているわけです。
注意すること
グリセリンフリーのコスメはニキビケアや毛穴改善に効果が期待できると言われますが、実は注意したいこともあります。
場合によっては美肌から遠ざかってしまう可能性もあるので、グリセリンフリーの注意点を確認していきましょう。
グリセリンフリーは乾燥しやすいという欠点
コスメのベース成分にグリセリンを配合している理由は保湿効果にあるので、グリセリンフリーのコスメは必然的に保湿力が低下してしまいます。
他にも保湿剤はたくさん種類があるものの、刺激性が強いので肌に優しいコスメと考えると配合が難しいのです。
さっぱりとしたスキンケアにすることで皮脂の分泌を抑えることができますが、その分乾燥しやすいので対策が求められるでしょう。
ニキビができやすいオイリー肌の中には、インナードライ肌が原因になっている場合もあります。
インナードライ肌の特徴は乾燥しやすいのに、皮脂で肌がテカテカしてしまう肌質です。
これは乾燥により肌が潤いを守ろうと皮脂を過剰に分泌させるので、オイリー肌と同じ状態になってしまいます。
グリセリンフリーのコスメで乾燥すれば、よりインナードライも悪化するので美肌からかけ離れた肌になってしまうでしょう。
インナードライ肌でグリセリンフリーのコスメを使用する際は、特に注意が必要と言えます。
乾燥が悪化するとどうなる?
グリセリンフリーによる乾燥の悪化はインナードライ肌以外の悪影響を及ぼすので、乾燥のリスクを見ていきましょう。
またニキビができやすくなる
グリセリンフリーでアクネ菌などを抑制できても、乾燥により皮脂のバランスが崩れればニキビを増やす原因につながります。
インナードライ肌の仕組みは乾燥から肌自体が守ろうとする防衛反応なので、正しいスキンケアで乾燥を防ぐことがニキビケアで重要なことです。
肌が敏感になる
肌にはバリア機能が備わっており、それは水分が保持されることで正常に維持されます。
しかし、肌の水分が奪われた乾燥状態ではバリア機能が低下し、様々なダメージを受けやすくなるのです。
その結果、紫外線や花粉などの影響を受けて炎症が起きやすくなったり、肌がかゆくなったり、シミやシワが増えるといった原因に関わってきます。
老けた印象になる
乾燥して肌の潤いがなくなると老けた印象になります。
肌のハリや弾力も失われるのでシワやほうれい線、たるみができやすくなるので、実年齢より老けた印象を与えてしまうかもしれません。
シワやほうれい線にはコラーゲンやプラセンタが良いと聞きますが、まずは根本的な原因である乾燥対策が優先です。
くすんだ肌になる
肌がグレーっぽくくすんでいる場合は、乾燥から表れるくすみの可能性があります。
乾燥で肌のバリア機能が低下すると紫外線や大気汚染など外的要因のダメージをダイレクトに受け、肌はそのダメージから守るためにメラニンを大量に生成します。
このメラニンがくすみやシミの原因であり、乾燥は肌のターンオーバーも乱れさせてしまうので、なかなかメラニンが取り除かれずくすんだ肌や濃いシミに発展してしまうのです。
化粧ノリが悪くなる
乾燥した肌はボロボロのスポンジのように、ガサガサして粉をふいた状態なのでベースメークのノリも悪くなり、きれいに仕上げることが難しくなります。
特にパウダーファンデーションのノリが悪くなるので、崩れやカバー力が気になるリキッドファンデーションが不向きなオイリー肌やインナードライ肌には少し困ることになってしまうでしょう。
カバー力の強いファンデーションはより乾燥を招くので、グリセリンフリーのコスメを使う場合は注意が必要です。
グリセリンフリーと合わせて使いたい乾燥対策法
乾燥肌はニキビをはじめ、様々な肌トラブルを招くリスクがあります。
グリセリンフリーは乾燥を悪化させる可能性があるので、乾燥対策を万全にして使うことが望ましいです。
そこでおすすめのスキンケアは、グリセリンフリーの化粧水を使ったらオイル系やセラミド系のコスメでしっかり保湿ケアをすることです。
オイル系での保湿
オイル系のコスメで保湿する場合は、スクワランが配合されたものがおすすめです。
スクワランも皮脂に含まれる成分で酸化しにくい性質を持ちます。
深海ザメの肝油やオリーブオイルなどの植物から由来する成分なので、安全性の高い保湿成分になります。
親油基と親水基の両方を持ち合わせているので肌に馴染みやすく、浸透性が高いのに毛穴に詰まりにくい利点があるので、ニキビケアにも影響を与えないでしょう。
セラミド系での保湿
セラミドは人間の肌に持つ脂質で保湿力がありますが、アクネ菌を増やす作用はないとされています。
角質層の水分を保持する作用があり、乾燥で失われたセラミドは化粧品で補充することが可能です。
セラミドは原液美容液など無駄な成分が含まれていないコスメがおすすめです。
グリセリンフリーばかりにこだわらないことも大事
グリセリンフリーのコスメを使うにあたり、メリットとデメリットの両方があることを理解することが大事です。
グリセリンはあくまでもニキビが悪化する要因の1つと考えられますが、保湿を担う成分なので絶対に悪い物質とは断言できません。
高濃度のグリセリンはニキビケアに悪影響を及ぼす可能性もありますが、多少配合している程度では問題はないでしょう。
ニキビケアは食事や生活など生活習慣も影響するので、決してコスメだけの影響ではありません。
グリセリンフリーが合っているどうかは自分の肌の特徴を理解して判断し、使用する際は保湿を怠らないように気を付けましょう。
オススメのコスメ
ここまでは、グリセリンフリーとはどのようなものか、グリセリンフリーのスキンケア商品を使う時の注意点についてご紹介しました。
ニキビケアに効果的だと考えられているグリセリンフリーのコスメは、あまり見つけることができないという方も多いかと思います。
最後に、グリセリンフリーのスキンケア商品でおすすめのコスメにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。
米ぬか美人 保湿クリーム
米ぬか美人 保湿クリームは、ハンドクリームくらいのサイズで販売されているグリセリンフリーの保湿クリームです。
35gで1500円なので、量が少ないように感じてしまうかもしれませんが、保湿クリームは1度のたくさん使うものでもないので、コスパ的にも良いと言えるでしょう。
また、ハンドクリームのようなチューブなので、旅行などにも持って行きやすいというメリットがあります。
そんな米ぬか美人 保湿クリームは、グリセリンフリーでもそれなりの保湿力があります。
しかし、グリセリンが配合されているものと比較してしまうと、保湿力があまりないと感じてしまうかもしれません。
とはいえ、夏や冬場の朝の水洗顔の後に使用する分には不満を感じることはないはずです。
お湯や洗顔料を使った洗顔の後は、皮脂が落ちているので突っ張るような感覚を感じる可能性があります。
これらのこと踏まえて、総合的に米ぬか美人 保湿クリームを見てみると、お手頃な価格とサイズ、大きなトラブルにつながらないという点で評価できるコスメだと言えるでしょう。
リピートする人が多いことも頷けます。
チューンメーカーズ 原液保湿クリーム
チューンメーカーズ 原液保湿クリームは、プレーンな使い心地の保湿クリームです。
内容量は50gで価格は2500円ですが、しばらくの間使用することができるため、コスパが悪いということはありません。
べたつきが少なく、あまり瑞々しくなりすぎない使用感が好きな人は気に入るコスメだと言えます。
水分と油分のバランスがちょうど良い保湿クリームだからではないでしょうか?
しかし、グリセリンフリーなので保湿力に関してはそれなりということになってしまいます。
チューンメーカーズからは、セラミドやフラーレン、ビタミンCといった原液美容液も取り扱っています。
美肌を目指したいという方は、それらの原液美容液と併せて使用してみるのも良いでしょう。
組み合わせて使用することで足りないものを補うことができます。
24hコスメ ナチュラルオールインワンバーム
24hコスメ ナチュラルオールインワンバームは、40gで3600円と価格は少し高めの保湿クリームです。
グリセリンフリーの保湿クリームなので、乾燥が気になる方は使用を躊躇してしまうかもしれません。
しかし、この24hコスメ ナチュラルオールインワンバームは、ミツロウなどを配合していることで肌を乾燥から守ってくれるので、冬でも安心して使うことができます。
グリセリンフリーのコスメは、保湿力がそれなりという感じのものが多い印象ですが、24hコスメ ナチュラルオールインワンバームはかなり保湿効果が高いスキンケア商品だと言えるでしょう。
冬になると肌が乾燥して皮が剥けてしまうという人には特に試していただきたいコスメです。
エルシア プラチナム 美白クリーム
エルシア プラチナム 美白クリームは、内容量が30gで価格は1200円とお手頃なサイズと価格になっています。
エルシア プラチナム 美白クリームは保湿クリームとして使うことももちろんできますが、どちらかというと気になる部分の集中ケアに使うコスメと言えるでしょう。
グリセリン自体は配合されていませんが、グリセリン脂肪酸エステルという成分は配合されています。
使用感はクリームというよりジェルに近い感じになっています。
保湿クリームと言っても、商品によってジェルのようだったり、バームのようだったり様々な仕様感の商品があるので、そこは好みの問題になるのではないでしょうか。
そんな中でエルシア プラチナム 美白クリームは、乳液や美容液のような役割に近い使い方をした方が良いと言えるでしょう。
もしくは、エルシア プラチナム 美白クリームを使用した後にオイルを使うとより効果的になるはずです。
エルシア プラチナム 美白クリームを使って、美肌を目指しましょう。
NOV II モイスチュアクリーム
NOV II モイスチュアクリームは、50gで5000円と決して安いスキンケア商品ではありません。
そのため、ここまでで紹介したプチプラなスキンケア商品に不満を感じていないのであれば、そちらを使用しても良いのではないかと考えられます。
しかし、NOV II モイスチュアクリームは、低刺激性のスキンケア商品なので、肌荒れが気になったり、プチプラのスキンケア商品が合わなかったりした人には、ぜひ試してもらいたいコスメだと言えます。
クレンジングや洗顔フォーム、化粧水、クリーム、バームがセットになっているトライアルセットは1500円なので、初めてNOV II モイスチュアクリームを使うのであれば、まずはトライアルセットで試してみると良いでしょう。
トライアルセットであれば、気軽に試すことができるはずです。
ただし、トライアルセットに含まれている洗顔フォームと化粧水にはグリセリンが配合されています。
グリセリンフリーのスキンケア商品はこうやってみると様々なタイプがあることが分かります。
価格や使用感などがそれぞれ異なるので、自分自身の肌や好みに合うものはどれかを見つけることができれば、ニキビケアなどの強い味方になってくれることでしょう。
グリセリンフリーのスキンケア商品が気になっているという方は、ぜひこれらの商品を試してみてください。
きっと、気にいるスキンケア商品が見つかるはずです。
まとめ
グリセリンは、ニキビの原因になると言われている成分です。
そのため、最近はグリセリンフリーのスキンケア商品やコスメが増えています。
グリセリンフリーのスキンケア商品やコスメを使うことで、ニキビケアを行うことができ、美肌を目指すことができるためです。
しかし、グリセリンフリーにしてしまうと、肌が乾燥しやすいというデメリットもあります。
グリセリンフリーのスキンケア商品とワセリンなどを併せて使用しても、乾燥を防ぐことは難しくなっています。
つまり、グリセリンフリーのスキンケア商品は、ニキビケアの効果は期待できるけれど、乾燥肌になってしまう可能性が高いということになってしまいます。
そのため、完全にグリセリンフリーにするのではなく、グリセリンフリーが配合されたコスメを少しでも併用することが肌の調子を整えるポイントになると言えます。
そのようなメリットやデメリットがあるグリセリンフリーのスキンケア商品にには、前述したようなオススメのコスメもあります。
その中には、24hコスメ ナチュラルオールインワンバームのように保湿力が高めの商品もあるので、選択する商品次第で使用感が大きく変化するので、自分に合う商品を見つけることが大切です。
どのようなスキンケア商品でもメリットやデメリットはあるので、グリセリンフリーのメリットや恩恵を受けたい方はぜひ試してみてください。