「動く瞑想」!?最近話題のピラティスはヨガとどう違うの?

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皆さんは、「ピラティス」がどういったものかご存知でしょうか?

ヨガと似たようなイメージを思い浮かべる方は多いでしょう。
確かに、見た目だけ見るとヨガと似ているため、勘違いしてしまう方もいるかもしれません。

しかし、実際はピラティスとヨガで大きな違いがあるのです。

例えば、ピラティスは元々肉体的な健康を維持するために作られたものですが、
ヨガはどちらかと言うと精神面や呼吸法に重きを置いています。

もちろん、ピラティスも「動く瞑想」と呼ばれているように、
精神面や呼吸法で共通する部分もあるのですが、作られたきっかけや目的が異なっているのです。

今回は改めてピラティスとはどういったものなのか、
そしてヨガとどんな違いが見られるのか、ご紹介していきましょう。

いまいちピラティスとヨガの違いが分からないという方は、ぜひ参考にしてみてください。

「ピラティス」とは?

芸能人やモデルが体型維持のために行ったことで、
ダイエットや美しい体づくりのためにピラティスを始める人が急増したことから、
一気に認知されていきましたが、ピラティスとはどのようなことをするのでしょうか?

今回は、話題になっているピラティスとヨガの違いについてご紹介します。

■ピラティスとは?

ダイエットや体づくりのための方法として話題となったピラティスですが、
ヨガと同様のものと思われたり、詳しい内容を知らなかったりする方は多いでしょう。

元々ピラティスは、1920年代にドイツ人従軍看護師のジョセフ・ヒューベルトゥス・ピラティスが
開発したエクササイズで、本物の健康と幸せを手に入れるために提唱されたものでした。

開発者のジョセフは、幼少期から持病を抱えて過ごしていました。
父は体操選手、母は自然療法医であり、病気を克服したい気持ちや
両親への憧れもあったことで、父の経営するスポーツクラブでトレーニングに取り組み、
また身体運動やその仕組みについても学んでいきました。

第一次世界大戦でケガをした兵士が、
ベッドに寝たままでもできるリハビリとして開発したのがきっかけで、
そこから運動生理学などを学んで現在のピラティスになったと言われています。

ジョセフは、自身で開発したメソッドを「コントロロジー」と名付けたのですが、
日本ではピラティスという名前で広まっていきました。

ピラティスの定義は、単なるエクササイズというものではなく、
全身にある細かな筋肉と精神を自分自身でコントロールするための学問となります。

ピラティスを実践することで、身体全体のストレッチができるだけでなく、
筋力やそのバランスを効率良く強化できるエクササイズであり、
これが身体の動作法であると言われています。

そのため、ピラティスを実践すると理想的な姿勢や動きを学ぶことができて、
正しい体の動きを身に付けられると、今まで抱えていた慢性的な痛みの改善や予防、
運動パフォーマンスの向上が期待できます。

体幹やインナーマッスルを強化できる運動として広まっていますが、
本来は体幹だけでなく四肢の筋力や柔軟性を高めて、
筋持久力の向上などにも期待できる動きが身に付けられます。

体幹が鍛えられるということだけが注目されがちですが、
ピラティスでの動きのほとんどが骨盤や脊柱の動きを中心にしたものであり、
独特の呼吸法と組み合わせることで体の歪みを徐々に整えていくため、
体の特徴や健康状態に合わせて実践していくことに重点を置いています。

「ピラティス」の特徴

ピラティスには、どのような特徴があるのでしょうか?
続いてはピラティスの特徴についてご紹介していきます。

■ピラティスの特徴

・心と体の一体化が可能
・日常的な習慣や癖によってできた体の歪みが改善できる
・全身の筋肉を伸ばすことができる
・背骨を動かすイメージで本来の姿勢に戻る
・全身にエネルギーを流すことができる
・正しい体の使い方を習得できる
・左右対称の動きが可能
・体の筋肉の強化や動きのバランスを向上させられる
・動きの流れを重視して行える
・体幹などインナーマッスルを鍛えることができる
・腹横筋を鍛えて、骨盤を安定させて引き締めることができる
・使っている筋肉を意識することでトレーニングとしての効率が良い
・無意識な体の筋肉の緊張をほぐせる
・各部分を鍛えて姿勢を正していく
・道具を使用しなくてもできる
・初心者でも10分程度から始められる
・年齢関係なくどこでも行える

ピラティスの主な特徴として、このようなことがあります。

ピラティスは、トレーニングとしてもハードな動きがないので、
体への負担も少なく、年齢や経験問わず女性でも簡単に取り入れられることで広まっていきました。

人間の体にはいくつもの筋肉があり、これによって全身のバランスを取っています。
そこには姿勢が大きく関係していて、この姿勢も大きく分けて4つのタイプに分類されています。

理想的な姿勢は横から体を見た時に耳から首、肩関節から腰椎がまっすぐの状態であり、
股関節軸のやや後ろ側から膝の少し前、くるぶしより少し前の辺りが一直線になると、
最も理想的な姿勢となります。

横から判断できない場合は、立ったままの状態で壁に背中をくっつけて、
後頭部、肩甲骨、骨盤が壁についた状態で腰の部分に手のひらを入れるスペースがあると
理想的な姿勢に近いと言われています。

壁に背中をくっつけて胸椎や腰椎が固い状態であり、
不安定な状態やおなかが前に出ている状態であれば猫背で腰が反っている姿勢となります。

また、猫背でも腰の反りがない場合は、
高齢者に多い骨盤を前に押し出した姿勢となり、骨盤が後傾していることで歩幅が狭く、
今後椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を引き起こす可能性があります。

一見姿勢が良いように見えて、背骨がまっすぐになっている状態の姿勢では、
頭や腕の重さを分散することができないため、肩コリや頭痛がひどく、腰骨の湾曲が少ないため、
地面からの衝撃が吸収しにくくなります。

これらの姿勢の改善は自分で気が付くことが少なく、
横からの姿や歩き方を指摘されて気が付く場合もあります。

姿勢の悪さに気が付いた時、すぐにでも正しい姿勢を維持しようと思っても
前からの癖があり、思うように改善できないこともあるので注意が必要です。

しかし、ピラティスであれば効果のない動作によって筋肉を痛めたり、
傷つけたりすることもなく、正しい動きや運動を効果的に行うことができます。

また、生活での必要な行動や動作においての土台を作ることができるので、
体のバランスを改善していきます。

人間の体にある筋肉には、関節や骨を安定させて動きをコントロールするインナーマッスルと、
動作の際に使用するアウターマッスルがあり、運動や動作によって痛みが伴う場合は、
これらのバランスが取れていない状態であり、
インナーマッスルがうまく働いていない可能性があります。

アンバランスの筋肉の動きを正して、
インナーマッスルからアウターマッスルへと動けるようにしていき、
体のバランスを整えていけるのもピラティスの特徴です。

■インナーマッスルを鍛えることで得られる効果

ピラティスの場合、全身にある大きな筋肉かあ小さな筋肉まで、
自分でコントロールして体調や姿勢を整えていきます。

実は軍隊でもピラティスを取り入れているところがあり、
体への効果が発揮されるというのが証明されています。

特に、ピラティスではインナーマッスルが鍛えられます。

普段の生活の中で、運動することはあってもインナーマッスルを
意識的に鍛えるところまではしていない方も多いでしょう。

しかし、細かく筋肉を動かせるピラティスなら、
インナーマッスルまでしっかりと鍛えられるのです。

インナーマッスルが鍛えられると、
背骨や骨盤といった歪みが生じやすい部分の矯正につながります。

体の歪みが改善されれば、内臓も正常な位置に戻り、
これまでうまく機能していなかった部分が改善されるようになるでしょう。

インナーマッスルを鍛えるというのはとても難しいことです。

ジムに通っていてもインナーマッスルがなかなか鍛えられない場合もあります。
そのため、インナーマッスルを鍛えたい方にはピラティスがおすすめなのです。

■ピラティスには呼吸法も大切

ピラティスには、インナーマッスルからアウターマッスルへの筋肉の動きを
正していくだけでなく、正しい呼吸法を身に付ける必要があります。

ピラティスで用いられる呼吸法は胸式呼吸で、
お腹を膨らませずに胸を膨らませる呼吸法となります。

無意識に行う呼吸では、横隔膜が下がるのと同時にお腹も膨らんでしまいます。
肋骨に両手を当てたまま、息を吸った時に胸が膨らむのを感じ、
吐く時には胸に当てた手が真ん中に寄っていき、胸がしぼむのを感じることができるので、
最初のうちはこの方法で呼吸法を身に付けていきましょう。

お腹が膨らまないように軽くお腹を引き締めたまま胸式呼吸を行い、
徐々に呼吸を意識できるようになったら、
酸素を首から背筋に流していくようなイメージで行うと良いでしょう。

胸式呼吸では交感神経を活発させることができるので、
精神的にも効果が高い呼吸法とされています。

自律神経のバランスを整えてくれるため、
何となく調子が悪いと感じる時に胸式呼吸を行うのも効果的です。

ピラティスでは、胸式呼吸を行いながら体の深部の筋肉を意識しながら行うため、
筋肉を強化するためだけでなく、精神的な安定や回復にも効果が期待できます。

そのため体の様々な不調を体の中から整えていき、正しい姿勢から体幹を強化して、
体の不調の改善や精神的安定、基礎代謝アップで脂肪燃焼効果も可能です。

体と心のバランスを整えることが、美しい体づくりにもつながっていくため、
美容効果も高いと言われているのがピラティスです。

「ヨガ」との違い

では、ピラティスとヨガの違いは何でしょうか?

ピラティスはヨガの技法を取り入れたものでやり方が似ています。
しかし、本質的には大きく異なる点があるのです。

■ヨガとピラティスの違い

意味合いやトレーニングのやり方など、
一見するとヨガもピラティスもどちらも似ているように感じられます。

では、意味合い・トレーニングに特化して比較してみましょう。

【意味合いの違い】
ヨガは、ピラティスと発祥も意味合いも異なっています。

例えば、ヨガはスピリチュアル面を重視し、ピラティスは身体の筋肉に特化したものです。

そのため、ヨガは身体だけでなく精神面にアプローチをかけ、
心身ともにリフレッシュできるのが本質的な意味合いです。

ただ、ピラティスは肉体的なアプローチを目的としていますが、
肉体を鍛えた結果充実感を得られるという特徴があります。

そういった意味では、どちらも似たようなものだと考えている方がいてもおかしくありません。

しかし、ヨガは精神面、ピラティスは肉体面の充実や幸せを目的にしたものなのです。

また、ヨガは元々インドの4000年以上前の教義とともに伝わった考え方だと言われています。

ヨガは身体を自分でコントロールして自分・自然を理解し
浄化するためにあるものと伝えられてきました。

今ではヨガをダイエットに取り入れている方も多くいますが、
元々はダイエットやトレーニングのために考案された運動ではないのです。

筋肉をほぐし、集中して心も鍛える効果があるため、精神の健康や充実感を得られます。

基本的に、ピラティスはトレーニング方法として親しまれてきたもので、
リハビリのメニューとして「ピラティスメソッド」と呼ばれていたこともあります。

【トレーニングの違い】
意味合いの他に、ヨガとピラティスはトレーニングの方法にも違いがあります。

・ヨガ
ヨガの特徴として、まず瞑想から入るという点があります。
瞑想では、自然への感謝や自分と向き合い見つめ直す時間が設けられています。

トレーニングの際には、呼吸法を基に身体を少しずつ動かし、
筋肉や血液の循環を良くするのが基本です。

ヨガには激しい動きはありませんが、
腹式呼吸で自律神経の副交感神経を有利にしてリラックス効果を生みます。

・ピラティス
ピラティスには、筋肉の奥や深い部分、つまりインナーマッスルを鍛えるのが基本です。
インナーマッスルを鍛えると、体幹が鍛えられます。

筋肉と体幹を鍛え、ストレッチとトレーニングに重点を置いたのがピラティスなのです。
ヨガよりも身体の動きを組み合わせたトレーニングが豊富にあります。

胸式呼吸で自律神経の交感神経を有利にするため、
頭の回転を活性化させリフレッシュする効果があるでしょう。

■ヨガとピラティスどちらが自分に適している?

ヨガとピラティスは、やり方で共通する部分ももちろんありますが、
比較してみると意味合いもトレーニングも大きな違いがあります。

・ヨガが向いている方
前述したように、ヨガは肉体というよりも精神面を重視した手法です。

身体へのアプローチだけでなく、心の安定やケアなどを求めている方は、
ヨガが向いていると言えるでしょう。

実際に、ヨガで身体と心を落ち着かせるのを生活の一部にしている方もたくさんいます。
ストレッチをしながら鍛えるのも可能なので、
しなやかで美しい身体を保ちたいという方にも適しています。

・ピラティスが向いている方
ピラティスではヨガの技法も取り入れているので、
そういった意味ではより幅広い技法を取り入れたアプローチが可能です。

精神面への充実も良いけれど、インナーマッスルを鍛えてリフレッシュしたいと考えている方は、
ピラティスが適しているのではないでしょうか?

最近では、
毎日忙しく体力が必要な方・筋肉量が不足している方・骨の歪みを改善したいと思っている方などが
健康な身体づくりを目的に始める傾向にあります。

筋肉や骨が歪んでしまうと、体調にも影響を与えてしまう場合があり、
体調不良になりやすい方にも向いているでしょう。

このように、ヨガは精神を大切にしており、
ピラティスはエクササイズとして認識されているので、
自分がどちらを重視するかで検討するのがおすすめです。

ただ、ヨガには数多くの流派があるので、それぞれの手法によっても違いがあります。
そのため、全体的にはヨガの方が良い・ピラティスの方が良いなどと断言できません。

ただ、どちらが良いか迷っているという方は、まず1度体験レッスンを受けてみると良いでしょう。

自分が通える範囲で、どのようなヨガ教室・ピラティススタジオがあるのか把握してみましょう。

選べる範囲の教室やスタジオを知って、
自分が求めているものと比較していくのが適切な選び方ではないでしょうか?

まとめ


今回は、最近話題のピラティスは、ヨガとどう違うのかに焦点を当て見てきました。

ピラティスは、ヨガの技法を取り入れているため、ヨガとよく似ていると言われます。

しかし、ヨガは様々なポーズを取り制止しますが、ピラティスは動き続けるのが特徴です。
身体を自分でコントロールして動きの質を上げ、強い精神力を鍛えていきます。

ピラティスは「動く瞑想」と呼ばれ、体幹運動で痩せやすい身体を作るのに有効です。

ヨガは身体の筋肉を鍛えるというよりは、
精神面を安定させ、ゆったりとリラックスする効果を重視しています。

こうして見ても、ピラティスとヨガは似ているようで目的が全く違うのが分かるでしょう。

女性はダイエット効果を踏まえ、ピラティスとヨガどちらが良いのか比較する方が多いです。

ダイエット効果だけで見ると、ピラティスの方が向いていると言えます。
なぜかと言うと、ヨガは身体に負担をかけずにゆったりと行う運動です。
ヨガは、身体の柔軟性を高める有酸素運動を行っていきます。
有酸素運動は、消費カロリーがそこまで高くないものの、
酸素をたくさん身体に取り込めるので脂肪燃焼効果が望めるのです。

ピラティスは、筋トレを中心とする運動を行い、
インナーマッスルを鍛え体幹を整えるので、身体の代謝が上がり全体的な筋肉量も増やせます。
そのため、代謝を高めて身体が引き締まります。

現代では、ピラティスもヨガもダイエット目的通っている女性が多いですが、
どちら元々はダイエット目的で考案されたわけではありません。

本質的な意味合いや目的、やり方や効果の違いを見ると、
ピラティスはヨガとは全く逆の方法で行うトレーニングなのです。

しかし、最終的な効果としてはどちらも心身ともに健康的な身体を得られます。
心身ともに健全な身体を得れば、それが自然と健康的に痩せることにつながっていくのです。

ピラティスやヨガは健康的な身体を作り、
ダイエット法として実践するには非常に適した方法と言えるでしょう。

ただ、他の運動と異なり、脂肪を燃焼させるダイエットとは異なるので、
即効性を期待できるものではありません。
ピラティスとヨガの違いを知って、自分により適した方法を選びましょう。

忙しい毎日を送る方が非常に多いですが、それではストレスが蓄積されてしまいます。

日頃からストレスがたまりがちな方は、心の安定を求めつつ、
身体を鍛えて理想的な身体を手にするために始めてみてはいかがでしょうか?

ピラティスもヨガも、単発的に行うよりも継続することでより高い効果が得られます。

自分に合った方法を見極めて、それらを長く続けられれば、
理想的な身体を作っていけるに違いないでしょう。