玄米にはお米本来が持つ栄養価がたっぷりで、美容・健康効果やダイエット効果が期待できます。
現在は、健康やダイエットのために玄米を食事に取り入れている人が多くいます。
しかし、一般的に家庭などで玄米よりも白米を食べている割合の方が高いため、玄米にはあまり馴染みがないという方もいらっしゃるでしょう。
今回は玄米について美容健康効果からダイエット効果、おすすめの玄米レシピなど詳しくご紹介します。
あまり玄米に馴染みがないという方も、今回の記事を参考に玄米を取り入れてみてはいかがでしょうか?
■白米と玄米、何が違うの?
まず、白米と玄米の違いについてです。
玄米から糠と胚芽を取り除き、胚乳のみにしたものを白米と言います。
なぜ玄米を精米し、白米にするのでしょうか?
これは、白米にすると玄米よりも食べやすく美味しくなるからです。
ただ、味は美味しいのですが精米の過程でビタミンやミネラル、食物繊維などが失われるため、白米というのはお米が本来持っている栄養価が抜けた状態になってしまいます。
玄米のまま食べることで、栄養価をそのままに摂取することができるでしょう。
例えば、玄米に含まれるビタミンB1は白米の約8倍にあたります。
人間の体内はビタミンB1が不足することで脚気を起こしたり、ビタミンCが不足することで壊血病になったり、栄養素が少しでも不足してしまうと重たい病気を引き起こす可能性があります。
そのことから、栄養価がたっぷりの玄米には生命が宿っていると言われているのです。
白米と玄米のカロリーは、お茶碗1杯に対して白米が約250カロリー、玄米が約250カロリーとほとんど変わりありません。
カロリーはほぼ同じなのに栄養価が数十倍も違い、消化や代謝能力が高いため白米よりも玄米の方が健康的だと言えます。
■玄米の美容効果とは?
玄米に含まれるビタミンEやミネラル、フェルラ酸などには美肌効果が大きく期待できます。
それぞれの成分が持つ特徴についてご紹介していきましょう。
・ビタミンE
ビタミンEには抗酸化作用があり、肌に悪影響を及ぼす活性酸素を減少させて、毛細血管を拡張させ、血流を良くする働きがあります。
血行が促進され血流が良くなることで細胞全体、肌の隅々まで血液が行き渡ります。
必要な酸素や栄養素を運んでくれることで、新陳代謝がアップし肌のターンオーバーを促されるのです。
これによってシミやくすみを薄くしたり、目の下のクマを改善してくれたり、顔色を良くしてくれます。
他にも、血行促進によって冷えや肩こりなども緩和されるでしょう。
ビタミンEはビタミンCと一緒に摂取することで抗酸化作用が高まるため、ビタミンEたっぷりの玄米と一緒にピーマンやゴーヤなどのビタミンCを含む食材と組み合わせて食事をすると、より高い美容効果が期待できます。
・ミネラル
ミネラルには皮膚や粘膜の健康を維持させる亜鉛や、肌に潤いを与えるコラーゲン、過剰なメラニン色素を除去する働きのあるカタラーゼなどの抗酸化酵素の生成をしてくれる鉄分が含まれています。
鉄分は肌のシワや乾燥、たるみなどの老化を防ぐ効果も期待できるでしょう。
また、鉄分が不足するとホルモンバランスが乱れたり、生理への影響も大きいため女性には欠かせない栄養素です。
・フェルラ酸
フェルラ酸はリフェノールの1つで、紫外線によってできるシミ・ソバカスの原因であるメラニン色素を作り出す酵素チロシナーゼに働きかけてくれます。
これによって、メラニン色素の生成を抑えることができます。
■玄米はダイエットにも効果的!
玄米には健康や美容だけでなく、ダイエット効果も期待できます。
・便秘解消
玄米には豊富な食物繊維が含まれており、お茶碗1杯で1食で摂りたい食物繊維の3分の1を摂取することができます。
食物繊維には「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」という2つの種類があります。
水溶性食物繊維は名前の通り水に溶ける食物繊維で、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果や食物の消化吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を防いだり、余分な脂肪を排出するなどの働きがあります。
不溶性食物繊維は、水に溶けずお腹の中で水分が吸収されることで膨らみ、腸を刺激して蠕動運動を促したり便のかさを増す効果があります。
これらの効果により、便秘が解消され不要な老廃物が排出されダイエット効果へとつながります。
特に不溶性食物繊維が玄米には多く含まれており、便秘な人だけでなく排便量が少量で悩んでいる人にも効果的です。
・代謝アップ
ビタミンB1に糖質をエネルギーに変える、アルコールを代謝する、ナイアシンに脂質や糖質をエネルギーに変える働きがあります。
また、ビタミンB6にタンパク質の分解を助ける働きなどがあることから、ビタミンB群には美容効果以外にも脂肪の蓄積を抑える働きが大きく期待でき、ダイエット効果へとつながります。
■玄米を美味しく食べたい!炊き方のポイント
玄米の炊き方は白米の炊き方と少し違います。
玄米の炊き方、美味しく炊くためのポイントをご紹介しましょう。
①玄米を洗う
玄米は研ぐ必要はなく、ボウルに玄米と水を入れ手で軽くかき混ぜるように洗います。
かき混ぜることでチリなどのごみが浮いてくるので、浮いてきたごみを取り除きます。
これを3回ほど繰り返してください。
②もみ洗いする
両手でお米を手のひらで強めの力で擦るようにもみ洗いをして洗い流します。
この時、水を吸収しにくい玄米の表面を傷つけることで水分がよく吸収され、ふっくらと炊き上げることができます。
手のひらで擦るところが拝んでいるように見えるため、おがみ洗いとも呼ばれています。
③水を足す
①と②の洗ったお米を炊飯器の内釜に入れ、玄米2合に対して水を600ml足します。
④浸漬して炊飯する
玄米は水を吸収しにくいため、6時間以上を目安に十分浸漬させる必要があります。
十分に浸漬したら、玄米モードで炊飯します。
⑤蒸らす
炊き上がったら粘りのあるご飯にするために蒸らす時間をとることが重要です。
10分くらい蒸らすことで水蒸気がご飯に馴染み、美味しくなります。
【美味しく炊くためのポイント】
・浸漬時間は長めに取る
浸漬時間を十分に取ることで芯がふっくらとしたお米に炊き上がり、より美味しく食べることができます。
6時間以上が目安で、特に冬場は時間をかけた方が良いでしょう。
・塩を加える
塩を入れることで玄米の生命力がアップし、栄養価がそのまま摂取できます。
米1合に対して、0.3gの自然塩を上記の③のタイミングで入れると良いです。
上手に炊けない時は以下のことが考えられます。
・パサパサしている
水分不足や浸漬不足が考えられるので、水加減を多めにしっかり6時間以上漬けることが大切です。
・芯が硬い
こちらも、水分不足や浸漬不足が考えられます。
炊飯器で炊いた場合には、水をもう少し追加して炊飯してみましょう。
・べちゃべちゃする
べちゃべちゃした時には、水が多いことが考えられますので、ほんの気持ち少なくしてしましょう。
玄米を食べる時の注意点としては、良く噛んで食べることが大切です。
よく噛むことで早食いや食べすぎを防ぎ、満腹感が得られやすくなるため、ダイエット効果を期待できます。
玄米は不溶性食物繊維が多く、便のかさ増し効果がありますが、普段玄米を全く食べていない人が急に玄米を多く摂取すると便秘を助長してしまう場合があり、逆効果となってしまいます。
疲れている時や妊娠している人、消化機能が低下している時は胃腸に負担がかかるので、普段玄米を全く食べない人や消化機能が低下している人は白米に玄米を混ぜたり、3食のうちの1食だけを玄米に変えるなどの工夫が必要です。
■おすすめ玄米レシピ
【菜の花としらすのヘルシー玄米おにぎり】
①白米2合、玄米1合を入れて3合分の水を入れます。
そこに粉末出汁の素小さじ1、酒大さじ1.5、醤油大さじ1、乾燥芽ひじき大さじ1.5を入れて炊き上げます。
②鍋水と塩を入れ沸騰させ、菜の花をサッと1分ほど茹でます。
③菜の花のあら熱を取り、しっかり水気を切って細かく刻みます。
④炊き上がったご飯は全体を切るように混ぜ合わせ、少しの間蒸らします。
⑤炊き上がったご飯と刻んだ菜の花、しらすをボウルへ入れてよく混ぜ合わせます。
⑥最後におにぎりにすれば完成です。
お好みで白ゴマを振るのもおすすめです。
菜の花はβカロテンやビタミンC、ビタミンB群や鉄、カルシウムやカリウム、食物繊維など、玄米と同じくらい栄養価が高い野菜です。
しらすにもカルシウムのほか、中性脂肪を減らす効果が期待されているDHAやEPAが多く含まれており、玄米でおにぎりにすることでかなりヘルシーで栄養満点な1品となります。
菜の花は緑色が綺麗で花がまだ開いていないつぼみが見られるものを選ぶと良いでしょう。
【トマトと鶏肉で作る簡単ピラフ】
①ミニトマトはヘタを取り、鶏ささみは一口大にそぎ切りで切ります。
皮が気になる人は皮をむいても良いです。
②白米と玄米を合わせ研ぎ、研ぎ終わったら水は捨てます。
③研ぎ終わったお米の上に下ごしらえしたミニトマトと鶏ささみをのせて、加塩バター、コンソメ、ブラックペッパーを入れて、2合分水を入れ炊飯します。
玄米をふっくらと炊きあげて美味しく食べるために、玄米モードでの炊飯がおすすめです。
④炊き上がったら全体をサクッと混ぜれば完成です。
ミニトマトと鶏ささみ、玄米というヘルシーな組み合わせでコンソメの素朴な味にミニトマトの酸味と甘み、鶏ささみの旨みが全体に広がります。
そして何より本格的なピラフでありながら、炊飯器だけで簡単に作れることがおすすめポイントです。
前日の夜に仕込んでおけば、朝には出来上がっています。
そのまま食べたりお弁当に入れたりするのも良いですが、中にとろけるチーズを入れたおにぎりにするのもおすすめです。
冷めても美味しいので、ぜひ試してみてください。
【栄養満点!さんまの蒲焼き缶を使った卵とじ丼】
①玄米と白米を合わせて研ぎ、30分ほど浸水させます。
水を捨てて、新しい水を4分の1分の目盛りまで入れて炊飯します。
②さんまの蒲焼き缶のさんまを一口大の大きさに切ります。
③豆の生臭さを取るために、フライパンでおからを3分くらい炒めます。
④炒めたおからに水とめんつゆ、サンマの蒲焼きを入れて全体を混ぜて1分くらい煮込みます。
⑤溶いた卵を全体に流し込み、三つ葉を散らしてから蓋をし、1分くらい煮込みます。
⑥炊いたご飯の上に卵とじを乗せたら完成です。
脳を活性化させる働きを持つ不飽和脂肪酸や、リラックス効果をもたらすカルシウムが豊富に含まれているさんまと、タンパク質などの栄養素がたっぷりな卵をめんつゆのみで味付けした丼です。
玄米と魚という組み合わせは栄養素も豊富であり、さらにおからを使うことで満足感がありながらヘルシーな仕上がりになっています。
また、さんまではなく、うなぎの蒲焼きやイワシの蒲焼きを使うのもおすすめです。
缶詰の汁はめんつゆ以外のちょうど良い味付けにもなるので、全て使います。
お好みで粉山椒や七味唐辛子、柚子こしょうを添えてみましょう。
【ニンニクたっぷり!海南鶏飯】
①白米と玄米を合わせて研ぎ、30分浸水させます。
②手羽元に塩とブラックペッパーをふり、5分くらい置いておきます。
③レモンは幅2mmに切り、ニンニクは皮を剥いておきます。
⑤浸水させた水は捨て、お米の上に手羽元、ニンニク、お酒、おろし生姜、中華だしの素を入れ、2.2合分水を入れて全体を一混ぜし、玄米モードで炊飯します。
⑥炊き上がったら全体を軽く混ぜて、お皿に盛り付けてレモンを添えれば完成です。
ニンニクには疲労回復効果があるので、1日の終わりの夕飯にピッタリなメニューです。
手羽元とレモンのさっぱりとした味付けとなっており、塩分が気になる人にもおすすめできます。
手羽元でなくても、モモ肉やむね肉を使用してみても良いでしょう。
水加減によって香ばしいお焦げを楽しんだり、色々な食感が楽しめます。
ぜひ自分好みの海南鶏飯を作ってみてください。
今回は、玄米と白米の違い、玄米の美容効果、玄米のダイエット効果、玄米の美味しい炊き方、おすすめの玄米レシピをご紹介しました。
玄米には、白米よりも多くのビタミンやミネラル、食物繊維など本来のお米の栄養価がたっぷり詰まっていることが分かりました。
玄米の炊き方では、今回炊飯器での炊き方をご紹介しましたが、土鍋や圧力なべでふっくらとした玄米を炊いて味わうのも良いでしょう。
白米だけを食べている人は、ぜひ美容や健康のために玄米を少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?